教育研究所
No.341 きれいな日本語を大切にしたいその2(2012年12月07日)
その4ちょっとひとこと・日本語の遣い方
また,また,日常の会話について感想を申し上げます。
あるテレビ局の番組の中で,おもちゃについて放映していました。
インタビューに答えた父親が,「子どもは欲しいおもちゃがあると,このおもちゃ,買って,買ってという感じでねだる」と答えていました。
『という感じで』をなぜ挿入するのだろうか?
また,同じ番組で,実際に食べられるケーキを作るおもちゃが紹介され,そのおもちゃを使ってのケーキ作りの実演が行われました。
そして試食後,女性アナウンサーは,本当に食べられるのだろうかという表情で口に運びました。
その感想は,「これ,ふんわりとしていてケーキって感じ!」というものでした。
『ケーキという感じ』ということは,本物のケーキの味からは少し落ちるということでしょうか?
「わあ!おいしい!ほんもののけーきだ!」とニコニコ顔で感想を言った幼児の言葉のほうが,おもちゃで作ったケーキのおいしさやその場の雰囲気が伝わってきました。
でも,傍で見ていた別の子どもの母親が「こういう風に,私もケーキ作りができるようになったらいいかなって感じです」とコメントしていました。
『いいかなって感じです』ではなく,「私もこのおもちゃに負けない美味しいケーキが作りたいです」と素直に言えないものでしょうか?
私は,これらのことを,講演や研究会などいろいろな機会に話題にしますが,会場では,「・・・・」と無反応で,「昭和は遠くなりにけり」を実感する今日この頃です。でも,軽くいなしながら話題にし続けています。(H・K)