教育研究所
No.327隣の家族(2012年05月07日)
つい垣間見てしまった隣の家族の一端を一人称でレポートする。
これって,プライバシーの侵害かな・・・?
「玉川上水の出現」
小3と年長の男の子が,「ジージ,ジージ,はやく,はやく!すごいよ!」と呼んでいる。
急いでいってみると,スコップで掘り込み,水道の水をホースで注ぎ込んで,長さ7~8メートル,深さ50センチメートルほどの水溜りになっている。
庭の真ん中に確かに玉川上水が出現していた。
二人は,頭からつま先までドロドロで,真っ黒に汚れた顔から白い歯が見えて,満足そうに眺めていた。
「どう?ジージ,お父さんと散歩にいった玉川上水を作ったんだよ!」と,得意げである。
「すごいね!これで鯉でも泳いでいたら本物の玉川上水だね」と余計なことを言ったしまった。
二人は,玄関から水槽を運んできた,金魚を「ドボン」と入れて,「これで完成!」と大喜びであった。
買い物から帰ってきた,この家の実質的な支配者であるバーバから,ジージの監督不行き届きについてきついお叱りがあったことを付け加えておく。
そのあと,服を洗い,風呂に入れた。
興奮冷めやらぬ二人は,ひどくご機嫌で,玉川上水の拡張工事をもくろんでいるようである。
きっと,ジージは,バーバから監督不行き届きを再度厳しく追及されるに違いない。
「ジージ馬鹿(?)」もいいところである。
「バーバの家来」
どこの家族でも「ちょっと,ちょっと,○○取って」は,日常茶飯事であろう。
孫のYくんが,「ジージ,このごみをゴミ箱に入れて」とたのんだ。
「自分で食べたんだから,自分で捨てなさい」とジージ。
「なんで,僕のたのみを聞いてくれないんだ。捨ててよ!」とYくんが反発。
「簡単なことだから自分でやりな」と再度ジージ。
そしたら,
「何だ,ジージは,バーバがお皿を洗ってっていえば洗うじゃないか」
「ジージは,バーバの家来なのか」
と反撃された。
「そんなことはないよ」
「じゃ,僕のごみを捨ててよ」(このあとどうなったかは,秘密にしておこう)
そばで聞いていたバーバは,噴出して,満足そうにYくんを抱き寄せて,頬擦りをしていた。
バーバとジージの力関係を再確認したようである。(H・K)