教育研究所
No.324 春の動植物教材について(2012年03月21日)
新年度は,桜の開花とともにかわいい1年生が入学し,心わき立つものがあります。
新しい学級の担任になった先生方も多く,希望と緊張の状況にあるのではないでしょうか。
4月は,入学式及び始業式から学校生活が再開し,あわただしい日々が続きます。
うっかりしているといつの間にか5月になり,しておかなければならない学習の準備や学習そのものが遅延してしまうことがあります。
特に,理科の学習はこの時期を逃すと二度とできない学習がありますので注意が必要です。
4月中に早めに準備したり進めておいたりしたい動植物教材の内容を,以下に挙げますので参考にしてください。
【3学年の学習】
・「自然の観察」自然状態の動植物を観察するために,校庭や公園,野原,神社,川原等の適地を見つけて下見をし,学習計画を立てておく。
・「植物の成長と体」育てる植物2~3種類を決定し,種子や腐葉土,肥料の購入の手配をし,植える花壇の手入れをする。
鍬やシャベル等の用具の準備もする。
・「動物の成長と体」モンシロチョウの卵を産みつけさせ,また幼虫の食料にするために,花壇に20株くらいのキャベツの苗を植え,鳥の食害を防ぐため網でおおう。
アゲハチョウを呼ぶために,ミカン類の苗木を10株ほど植える。
今年は役に立たなくとも来年からは有効である。
【4学年の学習】
・「季節と生き物」1年間観察を続ける教材や飼育する動植物を選択する。
例えば,ヘチマ,ゴーヤ,ケナフ,野草等,オタマジャクシ,ツバメ,チョウ類,バッタ,コオロギ等。ヘチマ棚を整備したり腐葉土を入れたりして土づくりをする。
観察記録用紙や温度計及び鍬やシャベル等の用具の準備もしておく。
・「人の体のつくり」骨と筋肉,関節の模型や骨格図などの準備をする。
【5学年の学習】
・「種子の発芽と成長」インゲンマメの種子,ヨーソ液,その他シャーレや空気発生ポンプ,冷蔵庫等の実験器具を準備し,土作りをして種子を花壇にまいておく。
・「花のしくみと受粉」受粉実験用のアサガオかヘチマの種子を花壇にかなり多くまいておく。
各班に3~4個使用すると学級で50数個の花が必要である。
・「動物の誕生と成長」メダカ飼育用の水槽,空気発生ポンプ,餌等を準備し,メダカの雌雄を1学級20匹ずつ計40匹購入し飼育を始める。
水中の微生物を採取する池等の下見をしておく。
人の母体内の様子が分かる模型や絵図等を準備する。
【6学年の学習】
・「植物の養分」実験に使うインゲンマメやジャガイモなどを花壇に植えておく。アルコールやヨーソ液,ビーカー,ピンセット等の準備をしておく。
・「植物の水の通り道」花壇にホウセンカの種子をまいておく。
ツユクサやヒメジオンを使う場合は,生えている場所を見つけておく。
食紅やカミソリ,顕微鏡,スライドグラス等の準備をしておく。
4月に十分な準備をしてスタートすると,年間の学習は大変円滑に進み,児童・生徒に観察力や記録する力,問題を解決する能力,動植物に関する知識等が身に付き,1年間にかなりの科学的な能力の向上が期待できると思います。(Y・H)