教育研究所
No.323どこかで「読んだ,聞いた」話(2012年03月07日)
多分,加齢現象が原因だと思いますが,「どこで読んだか?見たか?聞いたか?」はっきりしない話を3題紹介します。
その1:どっちが大事
妻から「私と仕事と,どっちが大事なの?」と激しく詰め寄られたときの回答です。
某有名大学教授の心理学の先生は,「そうか,寂しい思いをさせてごめんネ」と詫びて,優しく肩を揉んであげなさいというものでした。
これに対して,名もない人(ごめんなさい,誰だったか思い出せないのです。
話を面白くするためにこんな乱暴な言い方をお許しください)の回答は,「なに言ってんだ,お前が大事にきまってるだろう。
だから仕事を頑張ってるんだ」というものでした。
私はこの方が優れていると思います。
老妻から聞かれたら,この台詞を返してやろうと思っていますが,残念ながら仕事がなく毎日家でごろごろしています。
その2:中学校の数学の先生の話
どこの区のどこの学校のことか思い出せないのですが,算数の研究授業の協議会に参加した数学の先生が,こんな発言をしました。
『今日,ここへ来る途中で,ここの学校の男の子と女の子が追いかけっこをしながら下校してきた。
男の子の足が絡まって女の子が勢いあまって転んでしまった。
女の子は,痛そうにしてなかなか起き上がれない。
そこで私は,女の子を助け起こしながら,男の子に,転ばしたんだから謝って助けてあげなさいと言った。
男の子は,わざとやったんではないからと不服そうだったが,私は,見ていたのでわざとでないことは分かっている。
でも,君の足が絡まって転んだことは確かだ。
わざとでなくても「ごめんネ,大丈夫」と助けてあげるもんだと言ったら,男の子は,「ごめんね」とあやまり,女の子の散らばった荷物を拾ってあげた。
女の子は「ありがとう」と言った。
私が感激したのは,「おじさん,ありがとう」と,ぴょこんとお辞儀した男の子の態度です。
こんないい子が育っているこの小学校の教育はすばらしい』と言うものでした。
算数の授業の仕方とはかけ離れたことのように思えますが,なぜか,その日の研究協議は,小中連携の内容と子どもへの温かい関わりの仕方で盛り上がりました。
その3:兄弟けんか
どこかの家の傍を通っていたときの話です。
「なんで,おれが捕まえたトカゲを逃がしたんだ。
もう,お前なんかうちの子じゃない」(叱られるとき,親からいつもこういう言われ方をしているのだろう),
(泣きながら)「だって,こんな狭い所に入れられたらお兄ちゃんだって嫌でしょ」と抗議,
「もういい,泣くな,もっと見たかったんだ。
今度からお兄ちゃんに断ってから逃がすんだぞ」
「うん」。(H・K)