教育研究所
No.308 復興に向けての拠点として(2011年04月11日)
第83回選抜高校野球大会は,高校生らしい熱戦が展開され,神奈川県代表の東海大相模高校が優勝し幕を閉じました。
開会式では,16年前阪神淡路大震災の年に生まれた岡山県代表の創志学園の主将が,「東日本大震災では多くの尊い命が失われ悲しみでいっぱいです。
人は仲間に支えられることで大きな困難を乗り越えることができると信じています。
私たちに今できることは,精一杯元気を出して戦うことです。
生かされている命に感謝し,全身全霊で正々堂々とプレーすることを誓います」と選手宣誓し,私たちに勇気と感動を与えてくれました。
「被災した人々のために自分たちができることをしよう」。
甲子園で,暖かい声援を受けた宮城県代表の東北高校と青森県代表の光星学院の選手たちは,改めてその思いを強くし,被災した学校や家々の片付けなどを積極的に手伝っています。
また,学校に避難している小・中・高校生が,食事の準備,掃除やお年寄りのお世話を一生懸命している姿が報道され,私たちの心の琴線を揺さぶります。
そして新学期が始まりました。
多くの被災者家族は止むを得ず故郷を離れ全国各地へ避難することを余儀なくされました。
子どもたちは,遠く離れた見知らぬ地で入学式,始業式を迎えたりして,復興への第一歩を踏み出すことになりました。
とりわけ被害の大きかった岩手県陸前高田市の県立高田高校では,津波で家を流された多くの教職員が,避難生活を送りながら学校再開に向け,生徒との向き合う時間を確保して心のケアを大切にしながら,「授業と部活動ができる学校生活を生徒たちに送らせたい」と力を合わせ準備している,との報道が目に焼き付きました。
阪神,淡路大震災の時と同じように,学校は,避難所となり,復旧・復興への拠点になっています。
校長先生はじめ教職員の皆様が児童生徒とともに,地域の人々と協力・連携して元気を取り戻す源となり,新しい街づくりを目指す復興の拠点になるとものと祈らざるを得ません。(H・H)