教育研究所
No.304 あいさつ(2011年02月09日)
「これから2時間目の国語の授業を始めます」。
(全員で)「お願いします」。
小学校1年生の国語の時間。
その日の日直に当たっている子どもの元気な可愛らしいかけ声であいさつを交わす。
先生と子どもたちが,心を一つにして授業が始まります。
授業の終わりには,「これで,2時間目の国語の授業は終わります」。
(全員で)「ありがとうございました」。
廊下や登下校時の校門で,「おはよう」「おはようございます」「さようなら」の声が響く。
先生と子どもたち,子ども同士のあいさつには,清々しい心の交流があります。
先生と子どもたちに限らず,大人同士がたまたま道端で出会ったとき,目を見合わせ微笑みながら和やかなあいさつを交わす。
やさしい時間がながれ,うれしい心の触れ合いを感じます。
「今日はよい天気ですね」「寒いですね」「行ってらっしゃい」と,さり気ないあいさつや会釈をし合う。
この頃は,握手をすることも多い。人として大切にしたい気づかいということだけでなく,あいさつからは温かい人の真心が伝わってきます。
それだけに,このようなあいさつや会釈・お辞儀を自然にできる人は,人格的にも素晴らしい人だと思うのは私だけではないと思います。
「紅白歌合戦」や「クイズ面白ゼミナール」の司会などで活躍された元NHKアナウンサーの鈴木健二さんがその著書で述べていました。
「尊敬することによって相手を美しく,丁寧な言葉を使うことによって自分を美しくするのが,敬語である」と。
相手や自分を美しくする心は,敬語のみならず「あいさつ」にも通じるものがあります。
小学1年生の授業と出会い,子どもたちの明るく元気なあいさつに接して目から鱗の思いでした。
失われ始めたといわれている,日本人のもっていた思いやりやこころ配りといった仕草をいろいろ想い返し,自身を学ぶことができました。
子どもたちに感謝の念でいっぱいです。(H・H)