教育研究所
No.256 閑話休題大昔「刀狩」,昔「ナイフ取り上げ」,今「ケイタイ禁止」(2009年02月04日)
文部科学省が,児童・生徒の小・中学校への携帯電話の持込みを原則禁止にすべきとの通達を出した。
もちろん,健康上の事情を抱えている子ども,保護者の勤務の関係で連絡を取り合わなければならない子ども等,携帯電話を所持しなければならないケースがあるが,それについては,学校内の管理などを配慮して,容認する必要があることは認めている。
並行して,携帯電話を含めて,情報手段の適切かつ人間的な取り扱いを指導すべきことは当然である。
情報モラル教育に対しては,学校に丸投げすることなく,家庭でしつけ,マスコミなど社会が啓発し,地域社会がよい意味で干渉し,社会全体であるべき方向に向かって子どもを教育することが,本来の姿であろう。
高校生については,校内への持込みは容認しても,授業中などの使用は,厳しく制限すべきであるという。
何かおかしい気がする。
現在の高校では,携帯電話を授業中使用させているかのような印象を受けるからである。
閑話休題:大昔,豊臣秀吉の「刀狩」
刀は武器であり,武士以外の武器の所持を権力で禁止した。
小学校の社会科で学習したことを記憶している。
閑話休題:戦後間もないころ
男子生徒からナイフ(肥後の守)を,犯罪に使用されたりけがをしたりなど,危険だという名目で取り上げられたことがあった。
そして,今は,ナイフ(刃渡り5.5センチメートルの剣他)を所持すること自体が犯罪であり,飛行機には,小さな刃物でも持っていると乗れないことになっている。
閑話休題:東京・JR中央線でのこと
土曜日午後の電車内で,女子高校生二人が話していた。
「授業中,話していたわけでもないのにひどく叱られた」
「何もしないのにひどいわね」
「そう,メールをしていただけなの」
「授業なんてどうせ聞いていてもわからないものね。
メールは誰にも迷惑をかけていないのに」
と。
大昔「刀狩」,昔「ナイフ取り上げ」,今「ケイタイ禁止」。
つながりはないかもしれないが,日曜日,午後5時半からの「笑点」の御題にはなりそうである。(H・K)