教育研究所
No.2533学年理科「身近な自然の観察」(2008年12月17日)
学習指導要領小学校理科のB区分「生命」の3学年の内容に,「身近な自然の観察」が新設されました。
その内容は,「身の回りの生物の様子を調べ,生物とその周辺の環境との関係について考えをもつことができるようにする。
ア,生物は,色,形,大きさなどの姿が違うこと。
イ,生物は,その周辺の環境とかかわって生きていること。」となっています。
「他との関連」
上の内容から生活科の「校庭探検や公園探検」を思い起こすと思いますが,同じ自然観察ですが,1・2学年は自然と楽しく親しむことに主眼を置いていて,3学年は,自然を調べる基礎的な方法を習得することがねらいです。
同じ3学年の「昆虫と植物」ともよく似た内容ですが,本単元は,昆虫や植物の育ちや体の規則性を学ぶのではなく,自然の動植物をトータルに見て,動植物を探し,種類によって特徴が異なり,動きやえさなども違うことを学びます。
また,動植物が周辺の環境とも関わって生きていることを学びます。
いわば,動植物の分類及び環境との関係の基礎を学習すると言えます。
「教材」
扱う学習対象は,学校が置かれた環境次第で様々な教材が対象になりえます。
北海道の学校では,校庭のハルニレやナナカマドが使えますし,沖縄では,校庭のガジュマルやブーゲンビリアが学習対象になりえます。
先ずは,自校の校庭や公園,空き地の動植物を調べてみることから始めましょう。
次に,教材になりそうな動植物を上げて見ましょう。
(植物)タンポポ,シロツメクサ,アカツメクサ,ハルジオン,ヒメジオン,ツユクサ,イヌタデ,エノコログサ,マツ,スギ,ケヤキ,クスノキなど
(動物)モンシロチョウ,アゲハチョウ,トンボ,セミ,ダンゴムシ,ヤスデ,クモ,コオロギ,バッタ,カマキリなど
「学習の進め方」
植物を対象にする場合は,次のような内容が考えられます。
(1)校庭の植物を高い木,中ぐらいの木,低い木,草に分けてみよう。
この学習のねらいは,植物には大きく分けると樹木と草があり,樹木には高いものもあれば低いものもあることを,見つけさせることです。
(2)タンポポとツユクサをスケッチして,比べて見よう。マツとケヤキをスケッチして比べて見よう。
この学習のねらいは,植物は種類によって固有の形や仕組み,色を持っていることを見つけさせることです。
(3)日向に生えている植物と日陰に生えている植物を探して,スケッチしよう。
また,校庭に生えている植物と池の中や縁に生えている植物を探して,スケッチしよう。
この学習のねらいは,植物は適切な環境を選んで生育していることを見つけさせることにあります。
動物を対象にする場合は,植物の場合の(2)と(3)を参考にして,どんな餌を食べているかを追加して学習を進めるとよいでしょう。
(Y・H)