教育研究所
No.239孫語録「苺1円」(2008年05月07日)
我が家は,朝早くから夜孫が寝るまで騒々しい毎日である。
毎日,同じことの繰り返しのように思えるが,大人社会にはない,それでいて大人もびっくりの面白いことが連日起きている。
「苺1円」
NHKの教育テレビで,平日の毎朝8時ころから幼児向けに「四字熟語」を繰り返し放送している。
我が家の4歳と2歳の孫もほとんど毎日見ている。
ある日のことである。
「じーじ,苺が1円だって。安いね」
と言って,
「苺が1円,苺が1円」と,走り回っている。
この子は一体なにをそんなに大騒ぎをしているのかと思いつつ,テレビの画面を見て納得した。
そこには,「一期一会」と四字熟語が大きく映し出されていたのである。
4歳の孫はまだ文字が読めない。耳から「一期一会」が,「いちごいちえん」即ち「苺1円」と入ってきたに違いない。
そばにいた老妻と久しぶりに腹をよじって大笑いした。
「芋だけじゃないか!」
二人の孫が保育園から帰ってくるのは,たいてい5時半頃である。
帰ってくると風呂場に駆け込み手を洗う。
躾が良いためではない。
手を洗って早くおやつが食べたいだけのことである。
4歳の孫は好きな物を最後に食べる。
2歳の孫は好きな物から食べる。
おやつに苺が出ると二人とも大好きなのでいつも一悶着起こる。
弟は,さっと自分の苺を食べ終え,兄が余所見をしている間に苺を横取りして食べてしまうからだ。
こんな小さい頃から違いがあることに驚いてしまう。
あるとき,手を洗って,急いでテーブルのところに走っていった兄のほうが,ぷりぷりして戻ってきた。
「なんだ,芋しかねーじゃないか!」と。
これも大笑いしてしまった。どこで,こんな言い方を覚えたのかと不思議である。
「もう,熊組みだから」
いたずら坊主の兄は,自分で高いところから落ちたり,友達とけんかをしてほっぺを引っかかれたり生傷が絶えない。
先生に,しょっちゅう叱られているようだ。
だから先生が苦手なのだ。
それなのに〇〇先生だけは大好きで,玩具を散らかしているので
「ほらほら,そんなことをしていると〇〇先生に嫌われちゃうよ」
と言えば,さっさと片付けるほどである。
その先生が,4月の異動で転勤してしまった。かわいそうなので,話題にしないようにしていた。
最近になって,老妻が
「〇〇先生がいなくなって,さみしくない?」
ときくと,
「ぼく,もうくまぐみだから,だいじょうぶ」
と言っていたそうだ。4歳なりに自分を納得させたようだ。(H・K)