教育研究所
No.237サクラについて(2008年04月02日)
春爛漫,花の王者サクラに新たな門出を祝福されると,不思議と晴れやかな気持ちになるものである。
江戸末期,染井の植木屋さんが丹精こめて造りあげたソメイヨシノ。
艶やかな桜花の中でもひと際目立つ存在故に,生物歴の規定種目に選ばれ,桜前線北上と 人々の心に春を呼び込む。
南国を三月下旬にスタ-トした桜前線は,三月末,四月上旬にかけて関東に,五月中旬に北海道に至って終息する。
「サクラ切るバカ,ウメ切らぬバカ」
という諺にもあるように,サクラは人手を加えずそのまま放置した方が美しい花が咲く。
これに比べてウメは剪定など人手を加えた方が美しい花が咲く。
したがって,ウメの開花は人為的要素が大きく,一つの梅園でもウメの咲き方はマチマチで,いつを自然の開花日としてよいかはっきりしない。
だから,季節の目安としてサクラの花がはるかに役に立つ。
花の位置が高いので,地域の気候をよく表す。
サクラ以外にも,春の訪れの準備とするものは,タンポポ,スミレがあるが,これらは地表付近に咲くので,地層の極地的な影響を受けやすく,したがってその開花日には代表性が少ない。
同一品種で全国的に分布するものといったら,サクラとイネをあげることができるであろう。
そのため,様々な地域の比較ができるのである。
いつサクラの開花とするかについては,同一品種であっても,樹齢や樹の病気,立地条件などて違いが出てバラつく。
多くのサクラの開花の条件がよくそろうのは,八分咲きのころであり,季節の目安としてはこの方がシャ-プである。
―咲き初めるサクラの庭に名を呼びて入学児童の組を分けゆく―(Y・K)