教育研究所
No.235旅立ちを迎えて~担任への手紙~ (2008年03月03日)
3月,学校は,生徒の門出を祝う卒業式を迎えます。
先生にとっても,学校生活で喜びと悲しみを共有した子どもたちとの別れの日となります。
卒業を間近にした,ある高校生が担任に送った手紙を紹介します。
『3年間,本当にありがとうございました。
入学した時から,ずーっと,担任を受け持ってもらい,数え切れないくらい,迷惑をかけてきました。
何回も怒られて,先生は,俺のことを見捨ててしまおうと考えたことと思います。
だけど,こんな自分を卒業まで,見守っていてくれてありがたく思っています。
お陰で,進路も決まり,無事卒業もでき,感謝しています。
先生は,こんなに迷惑をかけて,いうことを聞かない生徒は,早く卒業して欲しいと思っているかもしれませんが,自分は,先生のことも友だちのことも好きだから,まだ,まだ,卒業したいと思いません。
こんなことをいうなら,もっと先生のいうことを聞いて欲しかったと思うかもしれませんけど,なぜか,先生に逆らい,先生と喧嘩ばかりしてしまいました。
今頃になって,本当に深く反省しています。
だから,どうか,俺を嫌ったまま卒業させないでください。
会社の仕事に慣れたら,学校に必ず挨拶に行きます。
どうもありがとうございました。』
プロ野球で活躍が期待されている中田翔内野手(北海道日本ハム・ファイターズ)の大阪桐蔭高校の卒業式が1月26日行われました。
卒業式終了間際,ブラスバンドが「川の流れのように」を奏でる中,退場していく同級生の「がんばれよ」との声を聞いているうちに,感極まって,涙を流す中田君の姿が報道されました。
高校3年間に出会った多くの友や先生そして野球部との別れ,これからの厳しいプロ野球の世界への旅立ちを想う時,こらえていた涙が溢れ出てきたのだと思います。
昨今,子どもたちや親の学校や教師に対する不平・不満の声が,聞こえてきます。
子どもや親から慕われ,信頼・尊敬される素晴らしい先生がたくさんいます。
人生の節目といわれる卒業,学校生活での様々な思い出とよき友だちや先生への感謝を胸に秘め,それぞれの目標に向かって,元気に旅立つことを願わずにはおられません。(H・H)