教育研究所
No.232鼠(ネズミ)について(2008年01月17日)
平成20年,西暦2008年,干支では「子・鼠年」にあたります。
教育界では大きな変革の年を迎えます。
教育3法の改正が行われ,学習指導要領の改訂審議も進んでおり,平成20年度より次々と施行されます。
「学校はどう変わるのか,授業はどうすればいいのか」等,課題は山積しています。
ネズミは人間に害を与える衛生害獣で,駆除の対象になっていますが,ネズミ信仰にあやかり,五穀豊穣,国内外安全,教育向上を祈らずにはおられません。
さて,そのネズミですが,農産物をはじめ,家の中にあるものをなんでも盗む「ヌスミ」がなまって「ネズミ」になったという説がありますが,どうも後世の俗説らしいのです。
(英語の「mouse」には,「盗み」という意味があるそうです)
本来は,ネズミの害は,家ネズミより野ネズミの方がいちじるしく,また強く人々に印象づけられています。
その野ネズミは穴を掘って住むので,「根棲む((ねずむ)」の語源が考えられています。これは植物の根の下に穴を掘って棲むという意味になります。
「お伽草子」の「かくれ里」でネズミの大将が,鳴尾鼠次郎穴住と名のって大黒様のもとに馳せ参じ,恵比寿様の率いる魚軍と合戦する話があります。
大黒天の使い,福の神として白ネズミが伝えられているのは,ネズミがたくさんいるような家は富裕だからであって,害獣がかえって富のシンボルとされたのです。
江戸の商家では,富を増やし,守る番頭さんを白鼠と呼んだそうである。
また,「ねずみ浄土」・「おむすびころりん」の名で知られているこの話は,地下にあるネズミの楽園を訪ねて財宝をもらってくる昔話で全国に分布しています。
ネズミは神にかかわる動物で,生活苦のない浄土への憧れ・ものを貯えるネズミの習性が結合しているようです。
最後に,ネズミはイヌやネコと並んで物語や漫画,アニメなどの動物キャラとして登場することが多いのも,人間生活と非常に馴染み深いことと関係があると思われます。(Y・K)