教育研究所
No.221親子の約束(2007年07月26日)
親と子の不幸な事件が,新聞やテレビで報道されるたびに,教育関係の仕事に携わるものとして,心の痛みは大きい。
親,教師をはじめとする大人や社会への反発や抵抗は誰にでもあるが・・・。
両親が仕事の関係で家庭にいる時間が少ないこと,パソコン・テレビゲームや携帯電話等のメディアの影響が大きく,家族で一緒に集まっての意思疎通や家族の絆を深める機会が少ないこと等,家族の人間関係の希薄化が原因の一つである。
親と子の信頼は,「健全な家庭づくり」の最も大切な基盤である。
親と子の不幸な事件も,その元には親と子の相互不信が潜んでいると考えるが,親と子の信頼関係は,お互いの意思と努力によって築かれる。
日常生活における直接的なふれ合いとお互いの協力が大切である。
東京のある高校のPTAが作成した「生活のしおり」の中の,生徒の願い,親の願い,親子の約束を紹介する。
[生徒の願い]
・能力,性格にあった期待をしてほしい
・訳も聞かずに怒らないでほしい
・くどくどいつまでも言わないでほしい
・人生経験の成功,失敗談を話してほしい
・家族仲良くしてほしい
・価値観,善悪のけじめを示してほしい
・交友関係を信頼してほしい
[親の願い]
・若者らしい夢と希望をもってほしい
・健康と時間を大切にしてほしい
・目的意識をもってがんばってほしい
・自分の行動に責任をもってほしい
・目上の人を敬愛し他人を思いやってほしい
・色々な誘惑に負けないでほしい
・失敗にくよくよせずに自信をもってほしい
[親子の約束]
・お互いに認め合い,思いやりを持とう
・積極的に対話を持とう
・感情的にならず,冷静に顔を向けよう
・人と比べることはやめよう
・約束は一貫して守る努力をしよう
・家庭内行事を大切にしよう
・平凡であっても明るい雰囲気を保つ家庭でありたい
(H・H)