教育研究所
No.214看護師さんから学んだこと(2007年04月25日)
4ヶ月前,私は,精密検査のため入院をすることになった。
入院した病室には,私を含め6人の患者が様々な闘病生活を送っていた。
看護師さんの働く姿から,「看護師さんの仕事は本当に大変な仕事だ」と痛感した。
3度目のガン手術のため入院している患者に対して,温かな気持ちで患者を励ましている看護師さん。
真夜中にもかかわらず,再三看護を求める患者に対しても,嫌な顔を見せず自分の父親のように面倒を見ている看護師さん。
手術直後のため起き上がることができない患者に,優しく介護する看護師さん。
かつて,私が勤務した高校の近所に特別養護老人ホームがあり,生徒たちは,家庭科の時間にグループ毎に別れて介護体験実習を行っていた。
おじいさんの食事の世話で,ご飯やおかずをスプーンにのせて,口元に持っていってもなかなか口を開けてもらえず苦労した生徒。
ようやく口を開けて食べてくれた時の喜びについて目を輝かせて私に話してくれた。
おばあさんの介護の手伝いをするはずだったのに,そのおばあさんの前で正座したまま,30分間も「茶髪や短いスカート丈」についてコンコンと諭された女生徒。
それでも学校に戻って来て,嬉しそうにそのことを私に報告してくれた。
介護体験に対して,はじめ不安を抱いていた生徒たちも,様々な体験活動を通して相手の立場や考えを理解し,助け合うことの大切さと感謝される喜びを感じることができた。
生徒たちにとっては,人と人とのつながりの大切さを学び,社会の一員としての自覚を深めることができ貴重な経験となった。
高齢化社会では,医療・福祉関係,特に看護・介護に関する知識と技術を学び身につけることが求められている。
生徒たちにとって様々な活動を通して,勤労の尊さや職業観を学び,思いやりや社会性を身につけることが大切であることを改めて実感した入院生活であった。