教育研究所
No.209万里(ばんり)君を救う会のこと(2007年02月07日)
Kさんから聞いた話です。心に響く話なので紹介します。
私(以下,話を進めやすくするために一人称にします)が,万里君と出会ったのは,小学校3年生のときでした。
心臓に重大な障害があり行動に一部制限がありましたが,万里君はそのことを一向に気にせず(深層ではそうでもなかったのかもしれませんが)元気で,やんちゃで,勉強も遊びも喧嘩もする明るい子どもでした。
私が,校長室で考えごとをしていると,下校時に万里君から窓ごしに声をかけられ,あれこれととりとめのない話をすることが習慣化していました。
万里君から声がかからない日は,「どうしたのだろう」と担任の先生に確かめたものでした。
その後は私も職場が変わるなどして直接万里君に会う機会はありませんでした。
しかし,彼からの年賀状は毎年届き,高等学校を自分のペースで修了し,「自分と同じハンデを持っている人が住みやすい社会を創ることに貢献したい」という夢を持ち,法律家を目指し大学に進んだことなど近況を知らされていました。
先頃,1月26日付朝日新聞「命救う募金に希望を託し」の記事を目にし,大変驚きました。
多額の費用を負担してアメリカで手術を受けるしか「生存」の方法がないという事情を知りました。
あの頃は,かなり重い状況であるとは思っていましたが,「心臓と肝臓を同時に移植しなければならない危機的な状況」に至るような重症とは予想もできませんでした。
私にも子どもや孫がいますが,本人の人生への思いはもちろんのこと,ご両親の無償の愛情を思うと,何とかできないものだろうか,何かできることはないだろうかと思う毎日です。
一人ひとりの力には限りがありますが,大勢の人が小さな善意を結集できたら,「募金目標金額2億5600万円」も可能になると思います。
私は,まず子どもへ,孫たちへ,友人・知人,親戚へと輪を広げるつもりです。
万里君のお母さんからの手紙の一部を紹介します。
「お手紙ありがとうございます。
1月25日に厚生労働省で記者会見をし,心臓肝臓同時移植の公開募金活動を開始しました。
万里自身がビデオメッセージを作成して呼びかけることをしたせいか強度のストレスで発熱し今は静養中です。
返事が遅くなりますので母の私が代わって返信させていただきました。応援してくださると幸いです」
注)本記事掲載時は「万里君を救う会」の連絡先やURLを掲載しておりましたが,2014年8月現在では確認できませんでしたので,掲載を見合わせていただきました。
悪しからずご了承ください。