教育研究所
No.202 変わりつつある学校-その6-(2006年10月18日)
過日,かって同一校で共に教育課題の解決に取り組んだ二人から,次のような話を聞いた。
主幹として生徒指導のまとめ役であるA教諭は,
「校長は,教職員の話をじっくり聞くことが少なくなったように思う。
以前は,いろいろと聴いてくれ,アドバイスもしてくれた。
最近は,話し合い,共に考えることよりも,具体的に指示することが多くなった。」
と語ってくれた。
B副校長は,
「最近,校長と学校経営について話し合う機会が減り,指示事項が増えてきたように思う。
教職員だけでなく,保護者に対しても『こうして欲しい』ということが多くなった。」
と話すのである。
二人の話には,校長の変化(話し合うことが減り,指示することが多くなった)という共通点があった。
そう言えば,他の学校でもこれに似たようなことを耳にしたことを思い出した。
ところで,学校は,人間関係を基盤として成り立つところである。
教職員,児童生徒,保護者などとの話し合いを通して形成される信頼関係こそ,他の何よりも優先されなければなるまい。
前日の校長の変化が事実だとすれば,学校における信頼関係の形成という点からは危険信号といえないだろうか。
もちろん,その学校の状況等もあるだろが,管理職が教職員とじっくり話し合うことをせず,一方的に指示することに偏ることが,健全で充実した学校経営という点から果たしてどうなのか。聞く耳をもち,理解しようとする管理職でありたい。
二人の話を聞き,そんなことを思ったのである。
(2006年10月18日)