教育研究所
No.384 「やる気の大切さ」実感(2014年10月07日)
隣のYY兄弟は近所でも評判のいたずらっ子(物をとったり,壊したり,迷惑なことはしないが,とにかく騒がしく遊びまわっている)です。
勉強は,最小限のことしかしないし,お手伝いも「やった」という程度にこなしています。
この2人に,ある企画の
「地球にやさしい作品募集」
に応募を勧めてみました。
弟Yはやる気になって,始めました。
しかし,半分くらいでやめてしまい,後は,最後までやるように促しても
「ウン…」
と生返事で,見向きもされませんでした。
兄Yは,
「やらない,興味ない」
ということで最初から見向きもしませんでした。
3週間ほどして,あるTV番組で,
「地球が危ない,もっと大事にしなければ…」
というような内容が放映されていました。
これを視聴した2人は,カレンダーの裏紙を使って,弟Yは,描きかけのものを1時間ほどかけて完成させました。
「動物と植物を大切にしよう,ポイすてはやめよう,川や海をよごさないようにしよう」
などと,子供らしい内容の作品になりました。
兄Yは,ものの1分ほどで仕上げました。
「地球は未来の子供のものである」
という趣旨の作品でした。
ところが,その後で,田舎に行ったことを話していたYY兄弟は,田んぼで泥だらけになって遊んだ楽しさを,Y兄は
「田んぼで生活している生き物」,
Y弟は
「お米の一生」
という壁新聞を3時間もかけて完成させました。
出来栄えも相当なものでした。
何かしようとする時の原体験の必要性,その原体験から出発した課題に対して,子供は意欲的に,主体的に取り組み,しかも粘り強くあれこれ探究するものだと実感しました。
体験活動の充実,子供の課題発見,意欲的・主体的・探究的活動について,考え直してみようと思っているこの頃です。(H・K)(2014年10月07日)