教育研究所
No.391 「小さな一言,大きな感激」(2014年11月28日)
昔一応乙女,今太目老妻と同居してから50年にもなる。最近は,やんちゃで反抗期の孫二人に夕飯を食べさせるのが仕事の一つになっている。思うように食の進まない孫に内心イライラしていたある日,
「ばーば,このスープうまいね。お母さんとお父さんにも食べさせてあげたいから,もう少し作ってくれない」
と上の孫が言った。こんなたわいのない一言で,もう,目がウルウルになって,ばーばは,もう一度スープを作ったとさ。
UMASIKA(馬鹿は差別用語です)は風邪をひかないというが,老妻が風邪で珍しく寝込んだ。風邪を引いた割にはニコニコしていたので,「どうした,頭に来たの?」と優しく(?)問いかけると,「ばーば,いつも読んでくれるから,今日は僕が本を読んであげるね」と下の孫が,童話を読み聞かせてくれたんだって。
老妻が,久しぶりに,美容院へ出かけた。庭で土いじりをしていると,1時間半ほどして帰ってきた。美容室へ行った甲斐があったか確かめようと「ちょっと見せてみろよ」と言ったら,すっ飛んで来て,「素敵になったところが見たいの?」と,満面の笑顔が私の前に突き出された。
歳を重ねると,小さな一言が,大きな感激になるものだとつくづく思った。最近のたわいもない小さな出来事でした。
これから,あるべき論や正義を振りかざさず,教室では先生が生徒たちに,家庭では両親が子どもたちに,じじばばは孫たちに,地域の大人は子どもたちに,もっと前向きになる声掛けをしたいものだ(してほしい)と思った。(K・H) (2014年11月28日)