教育研究所
No.406 「グローバル化?それとも乗っ取られ?」(2015年2月20日)
TVを視ていたら,桂三枝の弟子の桂三輝(サンシャイン)と,桂枝雀の育てたダイアン吉日(大安吉日のもじり)が出演していた。
桂サンシャインは,日本で,日本語で落語を語っている。聞いてみると,まあまあの語り口である。英語で演ずることもあり,大学生の講義の一環として英語で演ずることもあり好評のようである。
ダイアン吉日は,落語を英語で演じることが中心で,諸外国と国難民集落などを回って「楽しくして,苦労や悲しみを瞬時忘れてもらい,できれば明日からの生きる意欲につなげてもらいたい」と言うことであった。
私は,昔から「商店?」フアン(今では少し不安?)である。コソ泥のまねをする,暇人のふりをして関心を引く,からっぽ頭のラーメン屋を演ずる,独身を嘆いて関心を買う,老人虐待を売りものにする,落語家なのにパフォーマンスばかり,そして座布団運びをあれこれひどくこき下ろす。そんな最近の芸を隠して素人に徹するのに比べれば,見上げた二人だと思った。
相撲好きの友人から番付をもらった。孫に見せたら,「何だ,モンゴルばかりが目につくな。日本人に横綱がいないじゃないか」と,ぽんと投げ返してよこした。「オリンピックに相撲を取り入れたら…と言いたいところだけど,これじゃ金銀銅メタルはとれないね」と憎まれ口をたたかれ,「むッ!」とした。
グローバル化と喜んでいいのか,日本の伝統文化スポーツの衰退と見るべきか,薄くなった髪を撫で上げながら悩んでいるところである。(H・K)(2015年2月20日)