教育研究所
No.408 「還暦を迎えるK先生の教え子たち」(2015年3月3日)
聞いた話なのだが,臨場感を出すために一人称で失礼。
私の最初の教え子たちが,来年還暦を迎える。3~6年と担任し,卒業してからほとんど毎年クラス会をしている。今年も,上野公園の西郷さんの銅像下のあるレストランでクラス会をした。
その時,何と,教え子たちが来年(2016年)で60歳,還暦を迎えるというのである(早生まれの子たちは2017年)。驚いた。私も年をとるはずである。8歳のときが最初の出会いである。1965年(昭和40年)だから,実に,51年にも及ぶ付き合いである。
1学級50人だったが,3年3組は33人だった。当時の週案簿によると,授業時数週27+学級会=28時間,年間980時間(6年生は週31+クラブ1+学級会1+委員会1=33時間,年間1155時間)となっている。現在とは,雲泥の差である。
教室も,時間割もぎゅうぎゅう詰めだった。スプートニクなど科学に追い付け追い越せの理科の学習,数学の現代化を取り入れ集合や関数などが小学校から導入された。教師の方は慌てふためいていた記憶がある。大学で学習した集合や関数,統計の内容を,放課後の教室で,遠慮しながら先輩教師に説明した(教えたのではない)ことを懐かしく思い出す。放
課後5時ころから始まる,指導主事を講師にした自主研修会が,赤提灯や夕飯の支度を気にしながら受講する教員で溢れかえっていたのも時代と言うものであろう。
それでも,子ども達はどこ吹く風,元気に遊びまわり,野球とサッカー,かくれんぼ,ドッジボール,縄跳び,ともかく外で体を動かしていた。けんかはするが,いじめやいじわるは記憶にない。仲良しの33人だった。
60歳還暦,心からおめでとうと祝ってあげたい。しかし,第2の成人式くらいに考えて,健康に気を付けて,これから20年,30年と元気に過ごし,孫やひ孫の成人式を祝ってあげてほしい。(H・K)(2015年3月3日)