教育研究所
No.412「DiscussionMethod」(2015年3月13日)
昭和21年5月の文部省「新教育指針」の中に,これからは,教師が説明し,子どもが姿勢を正して静かに聞くという受け身の学習ではなく,もっと,討議法,即ちDiscussionMethodをさせるようにすべきだとある。そして,子どもに討議(話し合い,認め合い,高め合い,深め合う)の仕方を,簡明に示している。私的研究会でメンバーに配布したが,少し手を加えれば,今でも使える優れものである。
昭和26年の文部省「学習指導要領一般編(試案)」には,単元学習の進め方について解説してある。その内容は,子どもに課題を見つけさせる,主体的な学習をさせる,表現させる,学び合わせるなど,中央教育審議会に,新しい学習方法として検討すべきと諮問されている「アクティブ・ラーニング(ActiveLearning)」に通ずる部分がある(体力,気力,能力,視力,聴力が劣化し続けているので,記憶が曖昧であるが・・・)。
単元学習は,後に「はい回る経験主義」と厳しく批判され,系統主義の現在の学習指導要領の発想になった。
しかし,池田久美子氏の「はい回り経験主義を評価する」によれば,体験したこと,考えたこと,分かったこと,気づいたことなどを,適切に表現し,学び合い,知識や技能,考え方,価値観などとして昇華(まとめる)しなかったからいけなかったのだということになる。
目新しい用語が出てくると,「それ――っ」と飛びつきたくなる。また,「そんなことはずっと以前から~~」と何もしないということもある。どちらでもなく,現状を振り返り,良い点は継続し課題は原因を探る改善し,不足しているものは新規に取り入れるようにしたいものである。(H・K)
(2015年3月13日)