教育研究所
No.419 「もっと呟こう」(2015年4月24日)
人間の命が軽んじられる事件が頻発していて気持ちが沈みがちなこの頃です。人の命は「山よりも高く」「海よりも深く」「地球よりも重い」と思います。
よく「人の命を何と心得ているのか,虫けらのように扱うなんてけしからん」といわれることがある。
だが,つい最近,腕白の孫は,飼っていたザリガニが死ぬと,庭に穴を掘り,動かなくなったザリガニを入れ,土をかぶせ,草花を手向け,小さな手を合わせていた。人間の命は,昆虫や植物よりはと,大人は考えるが,幼い子供のこのような行動をそっと育てていきたいと思いこの頃である。
ある学校の保護者とたわいない話をしていた。そのうち,「子どもに善悪の判断や,命の大切さをどのように教えたらいいものか?」ということが話題になった。
30分ほどの雑談の中で,話が,おおよそ次のようなことに落ち着いたので紹介する。
「大人が,子どもの前で,善悪のモデルを示そう。」
「何が悪いことかを,きちんと教え,しつけよう。」
「良いことをしていたら,なぜよいのか知らせ,大きくほめよう」
「TVや新聞,子どもの話の中で,命に関すること,善悪に関すること,親切や思いやりに関することが話題になったら,『これはおかしい』 『これは悪いこと』 『これは素晴らしくいいことだ』などと,大人がコメントしたり,子どもに感想や考えを言わせたりしよう」
大げさにお説教をしなくとも,日頃から,子どものそばで,生命の尊重,いじめと暴力の不当,人権尊重,思いやり・親切・協力などについて,ぼそっと「~~~だ」と,あるべき姿を呟こう。漢方薬のように,長い間に,じわ~っと,効き目が出るに違いない。(H・K)(2015年4月24日)