教育研究所
No.426 「花○もあれば、大きな×もある」(2015年5月29日)
職場からの帰りの電車内,いきなり大声がしたので,みんなそちらを一斉に見た。どうやら,女性が座席を2つ占有していたので,老人が「すみませんが、荷物をよけていただけませんか?」とお願いしたところ,「うるさいわね!立っていればいいでしょ!」と怒鳴りつけたのである。老人,目を皿のようにして、びっくりしていた。
電車は間もなく,次の駅に停車し,いくつか席が空いたので,老人は座ることができ,車内はホッとした空気になった。くだんの女性は,何食わぬ顔で,たぶん拾ったであろう新聞を眺めていた。
電車を乗り換えるが,何時も混んでいて立通しなので,一駅戻って,始発駅から座ることにしている。席を確保してゆったりしていた。次の駅で大勢乗車してきた。また,老人が載ってきた。「わたしは,座りたいので,わざわざ一駅戻って乗ったのだ。だから,席を譲りたくない…」と,躊躇していた。すると,中年男性が,さっと席を立ち,「どうぞ」と譲った。「悪いですね,ありがとうございます」と,お礼を言われると,「田舎の親父を思い出した」と会話が続いていた。
次の駅のことである。高校生が3人乗ってきて,たまたま空いた席に並んで座り,ワイワイガヤガヤやっている。「まったく!うるさい高校生だ…」と,内心呆れていた。次の駅で,またまた老人が乗ってきた。すると,3人の高校生が先を争うように座席を立って,老人に席を譲った。「最近の若い者は…」は,見かけによらず,しっかりしている。暖かいと感心した。(H・K)(2015年5月29日)