教育研究所
No.427 「昔の友は,今も友」(2015年6月3日)
昭和の末(昭和61年~63年当時,昭和64年1月7日から「平成」時代)に,同じ職場で働いた者が,久しぶりに東京都立美術館に集った。仲間の一人が,芸術家(本職が芸術家,生活の糧に当時の職に誠実に就いていた)で,出展した作品鑑賞を口実にしたものである。今は,平成27年,既に27年と月日が経過している。あの頃の美貌をまあまあ保持している人もいれば,少し白くなった程度で顔は老けもふさふさの髪を持て余している人もいる。でも,多くの人は,輝く額と頂に僅かの髪をのせているだけである。
でも,いずれの人も,人生の荒波を超え,今なお自分流に生きていることを主張しているような風貌をしている。2時間ほどの食事会で,あれこれ雑談をした。気に入ったのは,よく「老人は過去を語る」と言われるが,話の内容の99%が,思い出ではなく,今打ち込んでいること,これからしたいことを熱っぽく語ることだった。みんな,それぞれに「幸せなんだ」と思った。次回は,いつになるかわからないが,老いた若者の会が,楽しみである。
ところで,最近の若者,子どもたちの友人関係は,昔とは大きく様変わりしているそうである。電車の中で,同級生が並んで座っているのに,一言も言葉を交わすことなく,それぞれがスマホとにらめっこをしている。大学の帰りにマージャンでも...。とんでもない!4人が揃わず,今は雀荘さえ絶滅危惧種です。うわさですが,高校の食堂には,友達がいないので1人淋しく食事をする生徒が,疎外感を持たないように,囲いのある孤食コーナーがあるとさえ聞きます。なんとも,昔人間には理解できない現象です。
これからは,学校の中で,子どもたちが,肉声でおしゃべりをする楽しさ,ワイワイ話しながら食事をする楽しさ,一緒に体を使って運動する楽しさ,困った時に助け合う安心感などぉ,実体験させることが必要のように思うこの頃です。そうしたら,何年か経って,懐かしく集うことができ,楽しむことができるようになるのではないでしょうか。(H・K)(2015年6月3日)