教育研究所
No.444「先生!子どもを後ろ向きにしないでください」(2015年8月3日)
最近は,講演や校内研究などの講師に依頼されることがほとんどなくなりました。知識が陳腐になり,その上,いつも同じことばっかり話しているので,もう賞味期限が切れてしまったからです。
でも,講師に,万一の不都合が生じた時に,「あの人なら,いつも空いているから…」と,ピンチヒッターの声がかかることがあります。そんなことで,HDH小学校の校内研究に参加したときのことです。
指導者の授業力も,子どもの学び合い(受けて返す力)の育ちもかなりのレベルで,実質的な校内研究が行われていることが伝わってきました。当然,ほめることばかりしかなく,9個も大きく評価し,認め,ほめました。
ただ1つだけ,注文を付けました。それは,Aさんが考え方を説明したときに,Bさんは「調べたことを,図を使って,順序良く話してくれたので,とてもよく分かりました」と,Cさんは「私は間違ってしまったんだけれど,Aさんの説明を聞いて,どうして間違ったのかわかりました」などと,とてもよく受けて返すことができていました。
ところが,先生は,「もっと,声の大きさとか,違う意見はありませんか?」と,子供たちに投げかけてしまいました。意見が出るは,出るは,「声が大きくて聞きやすかったです」「聞く人の方を見て発表できました」「ゆっくり話したのでよくわかりました」などと。でも,この先生の投げかけはない方がいいと思います。子どもが質の高い学び合いをしているのですから。(H・K)(2015年8月3日)