教育研究所
No.446「少女と犬の散歩」(2015年8月7日)
ある日の朝のことです。いつも,遅刻ギリギリに出ていく孫を学校に送り出してから,少し離れた公園まで散歩に出かけました。
孫よりも遅く,しかも慌てることなく,楽しそうに学校に向かって歩いていく少女(小柄の2年生くらい)がいました。この少女を見ていて「そうか,あくせくすることはない」,これからは,孫を余りせかせないようにしようと思いました。
そこで,ドラマが,思わぬ方向に展開しました。小さな子犬を連れたおじさんが前からやってきたのです。そのまますれ違うのかと思いきや,少女は突然しゃがみ込み,子犬を抱っこしました。子犬は,小さな尻尾をくるくると振り回して,嬉しい気持ちを思い切り表現しました。
ほんの5秒ほどの出来事でした。おじさんは,「ありがとう!学校に遅れるよ」と言い,何事もなかったかのように,少女と反対の方向に歩き出しました。
とてもいい風景でした。担任の先生,先生はこの光景を見ていなかったけれど,「どうか,この少女の遅刻を叱らないでください」と,つぶやきました。(H・K)(2015年8月7日)