教育研究所
No.448「優しい子どもたち」(2015年8月12日)
学び合いと称して,ペア(二人組)やグループ(3~5人)になって,相談させたり,分かった子が分からない子に教えるという,最近よく見かける学習スタイルがある。
私個人としては,算数の授業を中心に実践してきた影響か,ともかく時間いっぱい,それぞれの子どもに考え抜かせるべきだと思っている。
どうしてよいかわからない,つまずいている子どもには,教師が,その学習状況や反応に応じて適時・適切に支援して,乗り越えさせたいものである。教師の仕事で一番大切なのは,この種の支援である。
ところが,K区立O小学校で,問題を解決した子どもの一人が,どうしたらよいか困り果てている隣の子に,ヒントを与えたり,少しだけ教えたりしている場面に出会った。逆に,隣の子が,「これはどうなるの?」「どうしてそうだとわかったの?」と質問をしている。「じゃー,前のノートを見せて」「ほら,今日の問題と同じでしょ」「だから,何算になるの?」「そうそう,わり算だよね」「じゃー,今度は式に書いて…」と,教師顔負けの支援ぶりである。こういう教え込まないかかわりは素晴らしい。この学級の子どもたちはとにかく優しいのである。感激した。(ただし,一般的に,このような超特級の教え合いを子どもに要求するのは無理である。)担任教師に日頃の子ども達への接し方をモデルとして,子どもたちが身に付けていったのであろう。(H・K)(2015年8月10日)