教育研究所
No.452「日直のA君」(2015年8月19日)
ある学校の1年生の算数授業の講師として招かれた時の話である。
13時30分になって,授業開始の挨拶の号令をかけるのがA君でした。「姿勢をよくしてください。これから~~。5時間目の~~,算数のお勉強を~~,始めます~~。」と言えばよいのに,「姿勢をよくしてください」と言った後に,「Bさん,姿勢をよくしてください」「Cさん,姿勢をよくしてください」「Dさん,姿勢をよくしてください」「Eさん,姿勢をよくしてください」「Fさん,姿勢をよくしてください」「Gさん,姿勢をよくしてください」……と,延々と続けているのである。
さすがに,担任の先生が割って入り,「みなさん,ちゃんとしましょうね。算数のお勉強が始まりませんよ!」と注意して,セレモニーは終わった。(私が担任なら,「起立,気を付け,礼,着席」で,僅か5秒であいさつを済ませ,授業に即入ることができる。もちろん,「気をつけ」と号令がかかったら,0.1秒で気をつけができるように躾けておく。)
私が思うに,A君は,授業の始まりの挨拶で,毎日,毎時間,「Aさん,姿勢をよくしてください」と言われ続けているに違いない。だから,自分が日直の時に,その裏返しとして,誠実に注意しているのである。孫によく似たA君,頑張れ!(H・K)(2015年8月19日)