教育研究所
No.457「「夫」と「妻」」(2015年8月29日)
もう随分前のことなので,結婚記念日は覚えているが,結婚式で,具体的にどのような誓約をしたのかは全く記憶がない。それでも,無理やり,頭の奥から引っ張り出してみると,互いに「私は,○○を私の妻として…」「私は,○○を私の夫として…」と言ったように思われる。
最近,新聞の投稿欄で「嫁,主人に変わる言葉はないか」「『奥様』,『嫁』にとても違和感」「四角四面の言葉遣いは味気ない」「呼び方様々なのがおもしろい」「しっくりくる呼び名がない」と話題になった。そう言えば,最近の若い人は,「うちの嫁が…」,「うちの旦那は…」と言う言い方が多くなってきているように感じる。身の回りの範囲でのことであるが。
妻から夫を呼ぶ言葉には,戦前は「夫」「やど」「亭主」「だんな」「あるじ」「うちの人」があったそうだ。身近な人にインタビューしてみたら,「つれあい」「やどろく」「パートナー」「ろくでなし」「爺さん」「ダーリン」「○○(名前)」「パパ(子どもが生まれて)」「じいちゃん(孫が生まれて)」などがあった。夫から妻を呼ぶ呼び方には,戦前は「妻」「家内」「嫁」「女将」などがあった。また,周囲の人にインタビューしてみた。「ハニー」「○○ちゃん」「○○」「ママ(子どもが生まれて)」「バーバ(孫が生まれて)」「かみさん」「山の神」「嫁」「おい」「愚妻」「あいつ」などがあった。
でも,我が家は,「ジージ」「おい」で平和にすんでいるから,少しも困っていない。(H・K)(2015年8月29日)