教育研究所
No.461「イライラしているのでちょっといちゃもん」(2015年9月2日)
ある朝のある局のメロンの話題を取り上げた番組のこと。漫画家のE子さんと料理家のAさんが出ていた。高級メロンなのか,出荷する前に,丁寧に汚れを落とし柔らかいものにくるんで箱に慎重に詰めていた。農家のご主人とE子さんは,あれこれ話しながら,それでいて,メロンをそっと箱の中に置いた。件のAさんは,「随分丁寧に扱うのね」と言いつつ「ポン!」と投げ出すように箱の中に入れた。取材の内容にも,料理家としての食材の扱い方にも,さらに自分の言葉と行動との間にも,あまりにも開きがあり過ぎる。
立川駅から東村山駅行のSバスに乗った。A3用紙1枚に「走行中の席の移動は危険です。バスが,停留所に泊まってから席をお立ちください」(一般社団法人東京バス協会)という,乗客特に高齢者向けの注意書が掲示してある。確かに,早めに席を立った高齢者が,停留所でバスが停車する際によろけることがあるのはたびたび目にしている。併せて,運転士の場内放送もあり,きめ細かい配慮である。でも,このポスターの絵に,いちゃもんをつけたい。子どもが運転士の席の真後ろの席にニコニコ顔で座っている。そこには「この座席は,位置が高いために,お子様とお年寄りの方はご遠慮願います」と掲示してある。これはどこかおかしい。(H・K)
(2015年9月2日)