教育研究所
No.472「『よろしくお願いします』『ありがとうございました』」(2015年10月26日)
小学校の教室では,次のような授業開始と終了の挨拶が毎時間,毎日繰り返されている。
<その1>
日直「これから5時間目の国語のお勉強を始めます」全員「はい!よろしくお願いします」,日直「これで5時間目の国語のお勉強を終わります」全員「はい!ありがとうございました」(注:参観していた保護者が「ありがとうと言わせるなら,家の子どもも分かるように教えてほしい」と,ボソッとつぶやいていた。)
<その2>
日直「姿勢をよくしてください。(姿勢の悪い子どもを何人か注意する)これから5時間目の国語のお勉強を始めます」全員「はい!よろしくお願いします」先生「よろしくお願いします」,日直「姿勢をよくしてください。(休み時間になるので,たいてい,1回できちっとする)これで5時間目の国語のお勉強を終わります」全員「はい!ありがとうございました」先生「よく頑張りました」(注:給食の後は5時間目,国語の教科書が出してあれば国語を勉強するのは自明の理。まして,20秒×2回×一日5時間×毎週5日間=1000秒=約16分の無駄になる,1年間200日とすると,16分×200日=3200分=約71時間(45分授業))を挨拶に使っていることになる。)
<その3>
昔風に,日直「起立,気を付け,礼,着席」全員「(動作で)起立,気を付け,礼,着席」,終了も同様。(注:仄聞ですが,昔,港区教育委員会の教育委員をしていた国士舘大学教授が,この開始と終了の挨拶は,「起立,気を付け」が,育ち盛りの小中学生が背筋を伸ばし姿勢をよくする運動を,ごく自然に行うという意味があるということである。私はなるほどと納得し,担任時代,子どもに意味づけを話し,実行してきた)
<その4>
先生「はい,勉強を始めます。頑張ろうね」全員「はい,頑張ります」,先生「これで終わります。よく頑張りました」全員バラバラに「はい,お疲れ様」
さすがに,中学校では,端的に「起立,礼,着席」または着席したまま「気を付け,礼」,あるいは何の挨拶もなしに開始,終了することが多い。(K・H)
(2015年10月26日)