教育研究所
No.474「秋の味覚」(2015年11月2日)
10月の中旬、今年も友人から「銀杏」が送られてきた。「笑点」の左端の師匠のように、彼は、近くの公園で銀杏を広い、庭に埋めて独特の匂いを和らげて、あの紡錘形の種だけにするのだそうだ。
私は、お返しに、庭で採れた盆栽くずれの温州ミカン、生ごみから発芽した柚子、故郷の三宅島から移植した袋蜜柑を少々送った。
こんなことを、もう30年以上も続けている。普段は、手紙を出すじゃなし、メールをするじゃなし、電話を掛けるじゃなし、ましてや会って一杯やるなんてことは数年に一度。この物々交換が唯一の交流である。でも、なぜか不思議、銀杏が贈られてくると、青春時代、勤務先の駅周辺を飲み歩き、天下国家を語り、教育論に口角泡を飛ばしたころのことが熱く蘇ってくる。
私が続けていたことがもう一つある。若い、未熟な頃、あれこれ迷惑をかけ、かつご指導いただいた大先輩が、激辛の唐辛子が大好きなことを知り、庭で育て、毎年、夏に、お送りしていた。これも20年くらい続けている。しかし、今年は、苗の選定が悪かったのか、辛い唐辛子が全く採れなかった。来年は、何とか激辛の唐辛子を育て、大先輩に届けたいと思っている。(K・H)
(2015年11月2日)