教育研究所
No.480「あなたは自分に自信がありますか?」(2015年11月18日)
TIMSS調査などによると、日本の児童生徒は、教科の学習は「国際的に見てよくできるほう」なのに、「勉強に対して自信のある」児童生徒は少ないという傾向がある。そして、世界の国々から「勉強ができる」のに「なぜ、自信のない子が多いのか?」と、不思議がられている。
ところで、内閣府2014年版「子ども・若者白書」が、興味深い結果を公表している。日本、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンなどの13~26歳の若者の自己肯定感を比較すると、日本は「自分に自信を持っている」等比率が低い。
自信があるという回答が、韓国、アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス、スウェーデンはいずれも70%を超えているのに、日本だけが低かった。
自信がある(43%)と答えた人は、更に「何に自信がある?:知識や頭脳、人柄や性格、健康、協調性や社交性、粘り強さやしぶとさ」「なぜ自信が持てる?:努力している、身の程を知っている、続けている、人と比べない、いろいろ挑戦している」と内容を答えている。
自信がない(7%)と答えた人は、「何に自信がない?:体力や運動能力、容姿、知識や頭脳、健康、生活力や経済力」「その理由は?:特技がない、長所が見つからない、引っ込み思案、成功体験が少ない、人と比べてしまう」と内容を答えている。
日本人は、子どものころから満点・完璧を求められすぎる、他人と比較されることが多い、少しでもでき・進歩すれば褒められるという肯定的評価の体験が少ない、自分ができる・自信があるということを表に表す(自慢する)という習慣がない、控えめな性格の人が多いなどが原因と考えられるが、学校も、過程も、社会も、もっと自信が持てるようにすることを考えるべきだと思う。(K・H)
(2015年11月16日)