教育研究所
No.485「原節子の旅立ち」(2015年12月10日)
教員になりたての頃だったと思う。原節子が40余歳で引退して,大磯(?)に引きこもったのは。川端康成原作「山の音」だったか,清楚な佇まいから不思議な妖艶さを漂わせて,静かにセリフを絞り出すシーンが頭を過ぎる。昔の女優は,今のそれとは違い,深みと厚みと心のある迫真の演技をしていたものだった。俳優(女優&男優)もタレントも,ドタバタするような薄っぺらな演技や芸を早く卒業して,本物で私たちを感動させてほしいものである。
原節子の静かな旅立ちは,一時,よき時代をよみがえらせてくれた。個人的には,原節子,八千草薫,若尾文子,大原麗子などのフアンであったので,同僚から冷やかされていた若き頃を思い出す。(K・H)
(2015年12月10日)