教育研究所
No.520「教育のキーワード・3―昭和33年の学習指導要領」(2016年2月19日)
これまでの,行き過ぎた「経験主義」や「単元学習」との批判を受けて見直し,「基礎学力の充実」をキーワードとして,改訂され,学習指導要領は文部大臣(当時)の告示となった。その特色は,次の8項目に集約でき,現代の学習指導要領の枠組みができたと言えよう。
1:基礎学力の充実を図るため,国語,算数・数学の内容を充実させるとともに,授業時数を増やし,最低基準(年間35週以上,小学校45分,中学校50分)として定めた。
2:科学技術教育の向上のため,算数・数学,理科の充実を図った。
3:道徳教育の徹底のために,年間35時間の道徳の時間を特設した。
4:社会科(地理,歴史)の内容を充実改善した。
5:情操の陶冶,身体の健康,安全指導を充実させた。
6:小・中学校の教育内容の一貫性を図った。
7:基礎的・基本的事項の学習を重視し,各教科の目標や指導内容を精選した。
8:義務教育の水準の維持のために,教育課程は最低基準であることを明記した。(H・K)
(2016年2月19日)