教育研究所
No.523「教育のキーワード・6―平成元年の改訂」(2016年2月22日)
昭和の終わりから平成にかけて,社会の変化(科学技術の急速な進歩,軽罪の発展,物質的豊かさ&情報化・国際化・価値観の多様化,少子高齢化,核家族化など)に対応するために,教育内容の改善が求められた。そこで,次の諸点に配慮して改善をすることになった。
<教課審の答申のポイント>
1:豊かな心を持ち,たくましく生きる人間の育成
2:自ら学ぶ意欲と社会の変化に主体的に対応できる能力の育成の重視
3:国民として必要とされる基礎的・基本的内容の重視&個性を生かす教育の充実
4:国際理解を深め我が国の文化・伝統を尊重する態度の重視
具体的には,「生涯学習の基礎を培う」をキーワードに「21世紀を目指し社会の変化に自ら対応できる心豊かな人間の育成」を基本的なねらいとし,次のような改善を行った。
<学習指導要領改定のポイント>
1:内容や指導方法などを改善し,教育課程全体を通じて,児童生徒の発達段階や各教科等の特性に応じて豊かな心を持ちたくましく生きる人間の育成を図る
2:基礎的・基本的内容の一層の精選し,確実に身に付けるため個に応じた指導など指導方法の改善,児童生徒一人一人が自分のものの見方や考え方を持つようにすることが大切であり,思考力・判断力・表現力の育成や自ら学ぶ意欲や主体的な学習の仕方を身に付けさせることを重視し,国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視し,個性を生かす教育を充実し,小・中・高等学校の各教科等の内容の一貫性を図る
3:思考力判断力表現力の育成の重視,生涯学習の基礎を培う観点から学び楽しさや成就感を体得させ学ぶ意欲を育てるため体験的学習や問題解決的な学習を重視して,各教科等の内容の改善を行い,社会の変化に対応できる能力の育成,創造性の基礎を培うことを重視して自ら学ぶ意欲を高める
4:我が国の文化・伝統を尊重する態度の育成を図るとともに,世界の文化・歴史についての理解を深め,国際社会に生きる日本人としての資質を養う
小学校では,1・2学年の社会科・理科が廃止され生活科が新設された。このころから,企業では「週5日制」が急速に普及し始め,学校でも「学校週5日制」が課題となり出した。(H・K)
(2016年2月22日)
※つづく