教育研究所
No.528「断捨離にさからう」(2016年2月27日)
朝のTVニュースを,布団にもぐったままでぼんやりと聴いていた。弟子に宛てたシーボルトの直筆のメモ(手紙?)が見つかったというのである。
フィリップ・フランツ・フォン・シーベルトは,ドイツ人医師&植物学者で,幕末の長崎に滞在して,医学や科学のことを伝授した功績は大きい。
私は,ニュースを聞くまでこのことを全く知らなかったが,その上,日本の植物の研究もしたのだそうです。1800種もの植物を採集し分類整理して,日本の植物学の基礎作りに大きく貢献したのだそうです。
シーボルトの直筆のメモは,弟子が色々なものを重ねてあったその間から偶然見つかったようです。この弟子が「断捨離」の実践家であったら,この貴重なメモは日の目を見なかったかもしれません。構成に貴重な歴史の資料を残したい方は,「断捨離」などと言う一見格好の良い言葉に惑わされず,捨てないでどこかにしまっておくことをお勧めします。
私も,50年近く溜めこんできた様々なものが,ごみ屋敷とまではいかないが溢れています。そろそろ片付けようと思っていたが,もう少し温めておこうと思った次第です。(え!貴重なものが混入している可能性はゼロだって? 決めつけと諦めはまだ早い。) (H・K)
(2016年2月27日)