教育研究所
No.530「還暦の教え子」(2016年2月29日)
すっかり恒例になっている「クラス会」が,今年もある日の上野で行われた。今年は,参加者が例年より少なかったが,不参加の理由が今のそれぞれの事情を物語っていた。
<その1高齢者介護>認知症の義母がやかんを空焚きし大火傷した。どこで何をして包帯をしているのか本人は覚えていないという。一人にはしておけない。
<その2体調不良>朝起きようとしたら眩暈がしてどうしようもない。起きられないので今日は失礼する。
<その3仕事>日曜日であるが,お得意さんから頼まれて仕事が急に入った。ごめん。
<その4軽い物忘れ>え!今日だったの?悪い,今年はうかがえない。
<その5親の3回忌の法事>去年もそうだった。法事なので失礼する。来年はうかがう。
集まった者たちは,小学校時代に戻って,3時間ほど食べて,飲んで,おしゃべりをして,笑って,楽しく過ごした。一次会で失礼したが,彼ら・彼女らはせっかくだからと二次会へ流れて行った。
それぞれと握手をし,再会を約して別れた。Kちゃんが,いきなりハグをしてきた。それを見ていたほかの女の子たちが「Kちゃんだけずるい!」と言って,次々とハグをねだってきた。男性たちは「60にもなって,恥ずかしくて見ていられないよ!」とあきれていた。 (H・K)
(2016年2月29日)