教育研究所
No.535「マニュアル,ルーチン」(2016年3月7日)
新聞を読んで驚きました(2016.2.25よみうり寸評)。マニュアルに従えば,炉心溶解(メルトダウン)の有無は3日後には判断できたのにそれができなかったというのです。現状の観察から実際には2か月後に炉心溶解を認めました。驚くべきことは,このような重要なマニュアルが社内で,5年間も見過ごされていたことです。本当に,「見過ごされていたのだろうか?」と,考え込んでしまいました。
でも,これを他人事として「見過ごすこと」はできません。学校の危機管理について,再度確認し合い,マニュアルを共有しておく必要があるように思います。
持病や食物アレルギーのある子どもへの対応の仕方,いじめの訴え(いじめの兆し)があった時,学校・教師の対処の仕方,急病や怪我への対応,不審者や侵入者への対応・通報の仕方,地震・津波・火事など災害時の対処の仕方,個人情報の管理・保護の仕方などなど,学校にもたくさんのマニュアルがあります。
マニュアルの詳細を記憶しておくことは大変なことですが,「駅の車掌が指差し確認」をしているように,重要なことについてはルーチン化しておき,常に,しつこいくらいに確認することが重要だと思います。その時になって,いくら反省して,頭を床に擦り付けて謝罪しても,「かけがえのない子どもの生命」は蘇ってきません。(口幅ったいことを申して,まことに申し訳ありません。)(H・K)
(2016年3月7日)