教育研究所
No.539「子どもをあやす見知らぬおばあちゃん」(2016年3月18日)
西武新宿線の井荻駅で教え子が歯医者をしています。老化現象の一つで、歯が痛んできました。ある日、治療を終えた、西武新宿方面に乗車しました。その車内の光景です。
やっと1歳を過ぎたくらいの可愛い男の子が、ぐずっていました。1分たっても、2分たっても、3分たっても泣き止みません。車内が、「どうしたんだ、ははおやは!」という雰囲気になりました。「お母さんは?」と見ると、スマ補に夢中になっていて、子どものことは眼中になくあやすことすらしません。
そうしたら、隣の席のおばあさんが、男の子の可愛い手を握りながらご機嫌を取り始めました。男の子は、にこにこし始め、すっかりご機嫌を直しました。「なんだ、隣に、おばあちゃんがいたのか」と、車内がもとの普通の空気に戻りました。
ところが、そのおばあちゃんが、いくつめかの駅で降りていきました。「あれ、あのおばあちゃんは、よその人だったのか」と、思っていたら、また、男の子はぐずりだしました。お母さんは、一貫した行動を取り続け、スマホに集中していました。
新しいタイプの母親に育てられ続けるこの男の子はどのように成長するのだろうか? (H・K)
(2016年3月18日)