教育研究所
No.540「やばい=とてもすばらしい」(2016年3月19日)
いつだったか,イチローが,絶好調で記録が見えてきたとき,「やばいですね」「これはやばい」と,「やばい」を連発していたことを思い出す。その時は違和感をもっただけであったが,今思い返すと,「すばらしい」という意味が込められていたのだと思う。
個人的(私的)には,「やばい」は,それこそ「まずいぞ」「困ったことになるぞ」という意味に使っていた。(盗人の仲間の間で,「まずいことになるぞ」という意味の隠語として使われていたのだそうだ)
ところで,国語世論調査(平成27年1~2月,全国16歳以上1942人の調査)によると,10代の90%が「すばらしい」「良い」「おいしい」「かっこいい」と,肯定的な意味に使っていることが分かった。それに対して,70歳以上の高齢者では肯定的に使う人は僅か5%だったという。良貨が悪貨に...,いやそれほどひどくはないが,変われば変わるものである。
その他,判断がつかず曖昧なとき「微妙」という言い方をする人は,全体の約66%もいるそうである。教室で授業中に「Yさん,あなたは,AとBでは,どちらの意見に賛成しますか?」と聞かれて,「う~ん,微妙」と答える場面がよくある。また,ある子どもを嫌な奴と言う意味で使う「うざい」は,10代の80%近く,30代以上の50%が使うそうである。(うざいは,面倒くさい,不快である,嫌悪感を表す)
ところで,新語で使ったことがあるかに対して「イクメン」(ある21.7%,ない68%,聞いたことがない9.8%),「婚活」(ある25.4%,ない68.4%,聞いたことがない5.9%),「デパ地下」(ある49.7%,ない42.5%,聞いたことがない7%)などという面白い調査もある。 (H・K)
(2016年3月19日)