教育研究所
No.541「続・やばい」(2016年3月20日)
文化庁の調査で「やばい」を「すばらしい」という意味で使っている人が増えているという。ほんとかなと思って、ソット聞き耳を立ててみた。文化庁の結果を疑うような事実が溢れていた。
Aさん(就活中の学生らしき若者):「このままではやばいよ。もっと頑張らないと」と、電車の中で友人と話していた。
Bさん(マンション住まいの中年男性):「マンションの基礎工事のニュースを聞いて、もしかしたら自分のところもやばいかもって心配しているですよ。」と、インタビューに答えていた。
Cさん(10歳くらいの男の子):「ばーば、ちゃんと鍵をかけないとやばいよ、泥棒が入ったらどうすんだよ」と、忘れっぽいおばあちゃんに注意していた。
ところが、TVを見ていたら、目立ちたがりやのタレント男女が、「あ、それやばいじゃない。結構いけるね」「やばい、やばい、私も今度やってみよう」「この二人、やばくない?きっといいカップルになるかもね」などなど、文化庁の結果の通りでした。
どういう人たちが、本来の「やばい」を遣っていて、どんな人たちが間違った「やばい」を遣っているのか、そこまで分析してほしかった。
「赤信号、みんなで渡れば怖くない」「しちし16(7×4=16)と言う子どもが多いので、これからはそうします」にしますか? 今後、日本語はどうなるのだろうか。深化の法則を無視した進化をしているようで心配である。 (H・K)
(2016年3月20日)