教育研究所
No.548「スミレの町」(2016年3月27日)
随分前からスミレに興味を持ち,自然破壊にならない程度に零れ落ちた種を採集し,猫の額程度の庭に植えて楽しんでいる。
TVで偶然に,映画祭で有名なカンヌを紹介する番組を見た。カンヌ映画祭で国際的に知られている町だが,案外と小さくのどかな風情に驚き,やや気に入った。
郊外の鷲の巣村(わしのすむら,トゥーレット・シュル・ルー? 地名は物忘れが特技なので自信がない)という場所があり,スミレの町として知られているそうだ。
そこに,スミレ博物館があり,館員の説明によると,どうやらスミレを商品として栽培しているらしい。館内は,大型のスーパーのような作りで,ブーケ,スミレジャム,スミレキャンディ,スミレジュース,スミレ香水等の商品が陳列,販売されているようだった。
スミレの栽培がおこなわれていた日本では,スミレは地面に直植えか,鉢植えである。ところが,スミレ博物館では,コケのような50㎝くらいの棒状のものにスミレを巻き付け,ぶらさげて栽培していた。この方が,水はけがよく,育ちがいいのだそうだ。
映像を通してだから確定的なことは言えないが,ここで栽培しているスミレは,西ヨーロッパ原産のニオイスミレ(Viola Odorata)のように見えた。
3月初旬から咲き始め,科のナポレオンが好んだスミレと言われている。その名の通り,香りがすばらしく,花束にされ,香水の原料にもなっている。(H・K)
(2016年3月27日)