教育研究所
No.551「最高のリーダーは何もしない」(2016年3月30日)
記憶が定かではないが,こんな書名の本を見かけた気がする。組織の大小はあるが,校長・教頭,教務主任・生徒指導主任,学年主任,校務分掌の責任者それぞれに,「リーダーシップ」が求められる。それなのに,「何もしないリーダーが最高!」だという。「本当にそうなのか?」「何もしなくても学校は,教務部は,生徒指導部は,学年は,ICT部は,動くのだろうか?」と,思ってしまう。たぶん,そう言って関心を高め,購買意欲をそそる作戦かもしれない。
大声で叱咤激励するより,じっくりと話し,やる気を起こさせるようなきめ細かい言動が,教職員をその気にさせ前向きに協働するようになる。一見気弱(神経質)で臆病(慎重)な人でも,教職員の人間関係や諸事情に気配りをしてうまく動かしていく。こんなリーダーを「何もしないリーダー」と形容したのだろうか。もう一度本屋に立ち寄った時に,目次をみて,いい内容なら読んでみようと思う。
ところで,校長として赴任した学校の経営も教育活動も順調にいっている場合は,校長はしばらく何もしないで,よさの原点を見抜き,それが一層よくなるように考え,ファシリテーター役として行動することがいいと思う。校長(リーダー)が変わったら「マイナスのほう」に変化した例はたくさんある。
逆に,経営も教育活動も停滞しているときは,「それでも,よいところ」を見つけて,それを認めつつ,さらによくしていくためにと徐々に「何かをする」ことをお勧めしたい。校長が変わったら「プラスの方向」に変わった例もある。(注:校長を,教頭,主任など校務分掌の責任者やリーダーと置き換えても可) (H・K)
(2016年3月30日)