教育研究所
№562「共通理解が大切」
G7外相会議がかなりの成果を期待される方向で行われたのはなによりでした。振り返って,私は,それと並行する形で行なわれた7か国の高校生の行動に,未来を感じました。
G7の国の高校生の希望者が,「高校生G7サミット」を開催し,討論の1つに「核兵器根絶」を取り上げました。アメリカの高校生は,最初は「広島の原爆投下についてはほとんど知らない(実際は1000頁余の社会科の教科書では,相当頁割いてあり,戦争早期終結には有効だったと記述されている)」と発言していたが,資料館を見学し「これは事実なのか?」と質問し,日本の高校生は「この悲惨な情景は,事実です」と答え,最終的には「核兵器は,根絶しなければならないと思うようになった」と変化したのが印象的でした。カナダの高校生は「カナダは,直接,この悲劇には関わらなかったが,原爆の悲惨さはよくわかり,核廃絶と世界平和が大事だと考えるようになった(カナダの社会科教科書には,第二次大戦については3頁ほどしか触れてない)」と語っていました。カナダの高校生の「帰国したら外務大臣に手紙を書く」という言葉に感動しました。
加害者と被害者,原爆投下の後付の理由などではなく,原爆の悲惨さそのものに着目し,今後核廃絶と平和について考え,行動しなければならないという「高校生G7サミット」のレベルの高さに,多くを学びました。特に,日本の高校生の積極的な言動に,18歳選挙権を有効に行使してもらいたいという強い期待を持ちました。そして,政治家,特にG7のトップに大きな期待を寄せています。(H・K)
(2016年4月15日)