教育研究所
№564「貧乏と金持ちの違い」
ウルグアイの前大統領ホセ・ムヒカさんが,話題になっている。政治家が話題になるときは,決まって,金(政治活動費の不正使用など),言動(人権侵害発言,浮気など)等あきれることばかりである。
ホセ・ムヒカさんの場合は,同じ金のことであっても真逆のことである。「貧乏な人とは(金や物や財産を)少ししか持っていない人ではなく,無限の欲があり,(金や物など財産が)いくらあっても満足しない人のことである」(カッコ内は加筆)と,きっぱりと明言している。
その大統領時代の一端を紹介しよう。報酬の大半は社会福祉に提供した。大統領官邸は使わず,質素な自宅で間に合わせた。移動には,公用車は使わず,ボロボロの自動車を乗り回していた。服装も,その辺にいる高齢者並みの地味なものであった。政治家の鑑,モデルである。敬服・合掌。
素晴らしい政治家である。政治家は,国民・市民の幸せのために尽くすのが仕事で,自分や自分の家族を豊かにすることを超えた何かが求められる。TVで視聴したが,N市の市議会議員が「現在の年間報酬費800万円を1400万円に上げろ(政治活動費は別途支給されている。まさか,1年間に地球20周も自動車で走ろうというのだろうか?)」などと言う人には,この元大統領に見習ってもらいたいものである。(H・K)
(2016年4月19日)