教育研究所
№571「宣言することの効用」
いじめは「人権侵害」で「犯罪」と言うことをきちんと指導しよう。その上で,「するな」「させるな」「見たらとめよう,あるいは先生や大人に知らせよう」「いじめられたら,先生や大人に相談しよう」と,繰り返し繰り返し指導するが,少し減少するものの依然と続いている。どの学校も,どの学級も,どうしたらよいものかと困り果てている。「いや,一番困っているのはいじめられている子ども自身」である。学校と保護者と地域で協力して,何とかいじめをなくしたいものである。
5月上旬のある日,TVを視ていたら東大和市のいじめの取組が放映されていた。子どもたちが,いじめをなくすにはどうしたらよいか話し合い,それをまとめ,なくす方法や決意あるいは宣言を発表していた。どの子の顔も真剣で,知恵を出し合い,本気で話し合ってきたことが現れていた。いじめを自分のこととして捉えさせ,いじめられる子の心の痛みを感じられるように琴線に響く指導がなされていたことが伝わってきた。
近所の子どもに「君の学校にいじめはあるの?」と聞いたら,即座に,「喧嘩をする子はいるけどいじめはないよ。そんなみっともないことなんてしないよ!」という返事が返ってきた。確実に効果が現れ出していることを実感した。(H・K)
(2016年5月23日)