教育研究所
№574「人工知能に負けるな!」
野村総合研究所の予測では,10~20年後(平成38~48年頃)は,特別な知識・技能(スキル)が必要ない業種,ルーチン化やマニュアル化されている仕事などは,現在の職種の50%くらいが,人工知能やロボットに代替えされる可能性があるという。
国立情報学研究所教授の新井紀子さんは,人間よ「人工知能に負けるな」と,学校現場や中高生に期待を述べている(讀賣新聞2016年5月25日13面)。「日本語が分かっていないのに,英語をやってもしょうがない。プログラミングを勉強するなら,プログラムに求める機能を記した仕様書が読めなければしょうがない」と言い,教科書を読み解けない中高生が多い調査結果に対して「新しい職種に移るには,文章を読んで勉強しなければなりませんが,これでは無理です」と警鐘を鳴らしている。日本語を完ぺきにしてから英語教育やプログラミング教育を進めるという単純な構図は非現実的であるが,小・中・高校の日本語教育や英語教育,プログラミング教育において,このあたりのことについて十分に考慮して進めたいものである。(H・K)
(2016年5月30日)