教育研究所
№585「若者の素晴らしさを素直に認めたい」
第47回国際物理オリンピックが,スイスのリヒテンシュタインで,今年7月11日~17日に84か国の398人の高校生が参加して開催された。日本からは5人の高校生が参加した。
日本の高校生の研究は優れていて,金メダル3人,銀メダル1人,銅メダル1人と素晴らしいものであった。中でも,奈良県東大寺学園高等学校の渡邉明大君の活躍は見事なもので,昨年に続いて2年連続の金メダル受賞であった。理数離れが危惧されている昨今,理数教育の充実が叫ばれている中で,この高校生たちの活躍は,明るい未来を感じさせてくれる。この5人を頂点とする多くの高校生の地道な研究態度,このような先輩高校生を憧れ(目標)として学習や研究に取り組んでいる中・高生に心からのエールを送りたい。
ところで,7月18日のあるTVの10大ニュースで,高速道路の観光バス追突事故では映像付きで繰り返し放映していた。しかし,若者たちのこの活躍を「国際物理オリンピックで,日本の高校生が金メダル3個」とだけあっさりと済ませていたのにはがっかりした。小学校時代に「いわゆるゆとり教育」を受けた高校生の頑張りの価値を見抜いて,もう少し,若者の元気が出るようにして扱ってほしいと,感じた。(H・K)
(2016年7月28日)