教育研究所
No.558「人間に似てきた人工知能」
春眠暁を覚えず。起きなければいけないのに,床離れが悪くぐずぐずしている時,TVの格好つけた上ずった女子アナの声が耳に入ってきた。
「お喋りロボット(一人暮らしの高齢者の相手をするロボット?)が,差別用語を喋るようになって問題(話題?)になっている」というのである。さもありなんと思いつつ,起きて,冷たい水で顔を洗い無理やり目を覚まさせた。
人工知能を搭載したお喋りロボットが,どうして,教えもしない差別用語を使うようになったのだろうか?
思うに,このロボットの周りに差別用語を使う人がいて,このロボットがいつの間にか学習して,普通のこととして差別用語を使うようになったのではないか。いい意味でも,悪い意味でも,ロボット(人工知能)の学習能力が優れているということでもある。これは,純真な子どもが,周囲の大人の悪しき言動をモデルにして,悪しき言動を身に付けてしまうことと酷似している。大人社会と学校教育への警告でもある。
ところで,そのうち,人工知能を搭載したロボットが,反社会的の動きをしたり,戦争を起こしたりするようなことにならなければよいが。そういうことはSF映画の世界だけの話にしてほしいものである。(H・K)
(2016年4月11日)